ママちゃんの自由帳

リハビリ専門医と言語聴覚士がより楽しい人生を送るために考えていることを綴ります

【イクメンパパ必見】医師が教える子ども看病術、咳のしすぎで吐くために薬が飲めない子どもの看病のコツ教えます

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こんにちはノンです。

前回の話の続きです。しつこいようですが僕は医師免許は持っているけれど、小児科にはまったく携わったことがない素人同然なんですが、もし参考になることがあれば試してみてください(このとおりにやってもうまくいかないことも多々あると思いますが文句言わないでくださいね)。

 

前回までの内容はこちらからご覧下さい。

Drノン流 看病術1

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看病術2

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看病術3

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看病術4

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看病術5

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看病術6

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看病術7

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咳のしすぎで吐いてしまうときの看病のコツ 

ころり退治の結末は

 仁先生じゃないけど吐かれても何度も辛抱強くジュースを飲ませてみました。ぐずったりしているときにやると興奮して吐いてしまうので、できるだけ興奮させないように少しずつ上げました。すると徐々に元気になって今度は上の子と遊び始めました。興奮するとまた激しくせき込んでしまいました。仁作戦効果なし。考え方を変えてみよう

 

なぜ咳き込むと吐くのか

 通常嘔吐は体の中に有害なものを入れないようにすること、有害なものを外に出すためと思われます。ただ行き過ぎると必要なものまで吐き出してしまうので困ってしまいます。今回のケースでは気持ち悪くなって吐くのではなく咳に伴って胃の内容物を吐き出しているようでした。

 通常胃と食道の間の胃食道接合部には下部食道括約筋(LES)など食道内に胃内容物が逆流することを防止するような逆流防止機構がありますので、せき込んだからといってすぐに吐き出すものではありません。ただ激しく咳き込むと大人でも吐いてしまうことがあります。とくに子供はこの逆流防止機構が未熟なため吐きやすいようです。

 

吐いて薬が飲めない子どもの看病

 まずぐったりして全く水分が取れないようでしたら救急センターに行った方がいいです。ここでの対応は緊急性がなく水分は取れますがせき込んで吐いてしまう場合にのみ有効なのでその点ご注意ください。

 

 水分が取れないと上記の通り大変なので、咳止めを探したのですが見つかりませんでした。しょうがないので咳で吐かないように少し工夫してみることにしました。

1.咳の少ないときに水分を与える

 咳が出なければこれで少なくとも水分や食事を摂取しているときに吐くことはなくなります。

 

2.機嫌を損ねないようにする

 今回のケースでは興奮したりぐずりだすと咳が激しくなります。仕方がないのでお菓子など好きなものを与え、好きなだけテレビを見せとにかく機嫌よく過ごせるような環境を作りました。特に下の子はママと引き離されると大泣きするので出来るだけくっついて過ごせるようにしました。その結果咳の回数は減り症状も軽減しました。

 

3.水分摂取をしないときは左側を下、右側を上にして横向きに寝かせる

 これが今回の工夫で一番重要なのですがなぜこのような姿勢を取らせたのでしょうか?

 解剖学上胃は体の左側にあるため、左側を下にすることで胃の位置が左(左側臥位では下)に行きやすくなります。立っていたり座っていたりすると胃と口の間が直線になりますが、横になっていると口と胃をつなぐ食道が直線にならないため口の外に出にくくなるのです。

もう一つの利点ですが吐いた時に吐いたものを誤嚥といって気管の中に入っていくことを防ぐことができます

 

で、どうなった?

 結果、咳の回数は減少し嘔吐も少なくなりました。このやり方が良かったのか単純に病気自体が快方に向かっていったのかわかりませんが徐々に状態は上向きになりました。

 ただ治った後しばらくわがままが続き通常生活に戻すのにさらに日数が必要となったのは大きな誤算でした。