ママちゃんの自由帳

リハビリ専門医と言語聴覚士がより楽しい人生を送るために考えていることを綴ります

子どもにひらがなの読み書きを教える前に知っておきたいポイント

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こんにちは、リハママです。

私は言語聴覚士をしているので、就学前の子どもを持つママ達から「どうやって平仮名を教えたらよいの?」「家でどんな練習をしているの?」とよく聞かれます。

 

特に子どもが小学校の入学を見据える年ごろともなれば、

・うちの子いつ字が読めるんだろう?

・ほとんど書けているお友達もいて焦ってしまう

・このまま過ごして大丈夫かな?勉強させた方が良いのかも?

・ドリルを始めたけれど、イマイチ。塾の方が良いのかな?

 

と、尚更気になる気持ちがよく分かります。

 

事実、ひらがなは小学校で初めて習う(ことになっている)というのに、9割が既に読める状態で入学しており、読み書きできるようになる年齢が年々早くなっているという報告があります。

  

でも、やみくもに読み書きの勉強を始めるのは、少しもったいないかも知れません。

と、いうのも、読み書きを習得するための準備が整っていないと、遠回りすることになってしまうからです。

せっかく頑張って練習しても成果がなかなか見えないと、親子ともに苦しいものです。

むしろ、外で身体を沢山使って遊ぶことが、実は一番の近道になる場合だってあります。 

 

読み書きに必要な能力を育てるような遊びは沢山あります(後述します)。

これを利用しない手はないでしょう。

 

 

この記事では、子どもたちに読み書きを教える前にチェックしておきたいポイントをまとめます。

ぜひご覧いただいて、将来の読み書きにつながる準備を遊びの中に取り入れたり、お子さんと練習を始めるタイミングを見極めたり、と役立てていただければと思います。

 

 結論:ひらがなの教え時は興味を持った時

興味をもつのは習得の準備が進んできたから

何歳から練習を始めたらよいのか?と質問されることもあるのですが、おすすめは子どもがひらがなに興味を持った時です。

ことばの発達には個人差がとても大きいので、年齢だけを基準にすることはできません。

でも、不思議なことに、子ども側の準備が整ってくると自然と興味を示すようになるので、ここに着目しておくと良いと思います。

 

ひらがな練習の前にチェックしたい8項目

とはいえ、興味をもつ様子がなかなか見られないと、入学の時期が近付けば近づく程、心配になる親御さんもいるでしょう。

そんなときは、お子さんの様子を観察してみてください。

・聞く力、話す力はどうか?

・文字への興味関心はどのくらい?

・言葉は音のつながりで出来ていると気付いているか?

・色、形、大きさ、長さがわかるか?

・左右がわかるか?

・手先の細かい動きはどうか?

・目の動きはどうか?

・姿勢は崩れやすくないか?

 

いかがでしょうか?

どれも暮らしの中で取り組める遊びを通して、来るべき時に備えることが出来ますよ。

なぜこれが大事なポイントなのかは順に説明します。

読み書き習得の準備

さて、「子ども側の準備」とは、いったい何のことでしょうか?

読み書きを無理なく身につけるには、どんな能力が必要なのでしょうか?

聞く力・話す力

読んだり書いたりする前に、まず聞く・話すことばが基本となります。

子どもたちは1歳半~6歳頃まで、一日に約10語!もの勢いで言葉を覚えていると言われます。

「りんご」と言えるだけでなく、どんなものなのかわかるというのも大事です。

(例えば、赤くて丸い果物で、種があって、シャリシャリしていて、甘酸っぱい味で、たまに蜜があって、包丁を使ってむいて、お弁当にウサギの形で入ってる。お砂糖と煮てくれたのをヨーグルトに乗せて食べると美味しい、とか。)(この道具はお父さんがいつもこういう時にこんな風に使っている、とか。)

 

遊びになぞなぞや、だじゃれ、伝言ゲーム、かるたにすごろく、少し長めの絵本の読み聞かせも取り入れてみるのもおすすめです。

 特に子どもの好きなお話や、図鑑をぜひ一緒に読んでみてください。

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文字への興味・関心

いたずら書きをしたり、(文字になっていなくても)お手紙を書きたがったり、絵本を読んでいる風に話したり、テレビの字幕を知りたがったり、色々な行動があてはまります。プレリテラシー、などと言います。こんな様子は見られますか?

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言葉は音のつながりだと気付く

これがとても大事な能力で、読み書きの前段階として必要です。

ひらがな1文字が、ひとつの音に対応していて、言葉は音のつながりで出来ていると気が付くようになってきます。

 

しりとりや、逆さま言葉(かさ→さか)、たぬき言葉(たいこ→いこ)等のことば遊び、リズムのある手遊び(お寺の和尚さんがカボチャの種を蒔きました、アルプス一万尺、おせんべ焼けたかななど)、グリコ(階段の上り下り)などもおすすめです。

 

色や形、大きさや長さがわかる

同じか違うか見分ける、どんな色や形かわかる、どちらが大きいか長いかわかる、そんな能力も文字が分かるためには必要となります。

例えば「さ」と「き」、「土」と「士」、「ハ」と「八」と「人」と「入」、のように

ほとんど同じような形をしていて、長さの違いや接する位置が分からないと区別の難しい文字が沢山あります。

 

草花や木の実をじっくり観察したり、形集め(丸いものを探す)や、色集め(赤いものを集める)、パズルや型はめなどもおすすめです。

左右がわかる

「さ」と「ち」、「す」と「む」、のように曲がるのは右になのか左になのか、わかる必要があります。

右と左、上下、前後、、、身体と空間の位置関係はどれくらい分かりますか?

目安としては3歳後半で「上下」、4歳以降に「上下・横」の使い分けが上達、4歳後半~6歳前半で「前後」「左右」と進みます。

 

感覚を通して獲得した自分の身体についてのイメージが基礎となるので、

・赤ちゃんの間は沢山なでてもらったり、おもちゃをなめたりしながら

・移動できるようになったらハイハイで狭い所を通ってみたり、沢山遊ぶと良いです。

 

花いちもんめや旗揚げ、ジェンカ(右・右・左・左♪前・後・前・前・前♪のダンス)、ツイスターもおすすめです。

 

手先の細かい動きは?

手先は器用な方でしょうか。それとも、少しぎこちない、どちらかというと不器用さんでしょうか。手の動きは、次に挙げる目の動きと協調して行う必要があるため、そちらの影響も考えられます。

 

お箸やハサミを使う様子はどうですか?

ボタンをとめたり着替えたり、コップに飲み物を注ぐことは出来ますか? 

 

苦手だと何度も練習をさせたくなるところですが、ちょっと待った!です。

 確かに繰り返しの練習するといずれ上手になる側面もあるのですが、上達するのはそのことだけで効率が良くありません。

 

全身を使った大きな動き(粗大運動)から、手や指先を使った細かな動き(微細運動)へと発達が進んでいくので、

ここはむしろ、全身を使った遊びを沢山取り入れて底上げを図る方がおすすめです。

 楽しみながら次第に手や指先の活動も上手になってきますよ。

 

あとは毎日お手伝いを続けることや、手探りゲーム(袋におもちゃやぬいぐるみなどを入れて触って当てるクイズ)も良いでしょう。

目の動きは?

 見えること(視力に問題がないこと)と、上手に目を使えることはちょっと違います。

目が上手に動かないと、文字を読んだり書いたりする時にも一苦労です。

 

ちゃんと見ようねと頻繁に怒られたり、探し物が苦手だったりしませんか?

目の前にあるものを見つけられないことはありませんか? 

見ようとしているけれど、目がうまく使えないために、見つけられないのかも知れません。

 目の使い方は次の「姿勢」とも関連します。

身体を使った遊びを沢山すると良いです。

姿勢は崩れやすくない?

 姿勢が悪かったり、すぐに崩れてきたり・・・なんだかフラフラ、一方でじっとできずに、せわしなく動き回って、落ち着きがない。

 

こういう姿はやる気が無さそうに見えてしまうのですが、「やる気」じゃなくてバランス感覚がうまく使えていないサインかも知れません。

バランス感覚は目の動きをコントロールする働きと関係が深いので、バランス感覚がうまく働くようになると目の動きもスムーズになってきます。

 

バランス感覚を養う遊びは沢山ありますが、滑り台でもアスレチックでも、その子の好む身体を使う遊びを沢山しましょう。

滑り台は怖いけれどブランコなら大丈夫とか、子どもによって色々違います。

トランポリンがあると便利です。

 

 

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まとめ

一番簡単な勉強の基礎・読み書き。

出来るようになってしまえば、そう思いがちですが、沢山の能力に支えられて成り立っていました。(今回載せきれなかったものもまだあります。)

 そして沢山の遊びを通して、培っていくことが出来るものでした。

「勉強」という形で学ぶのは後からでも遅くありません。

ぜひ今のうちに楽しく遊んでほしいと思います。

沢山遊んで、いつの間にか準備が出来ていたら儲けものです。