ママちゃんの自由帳

リハビリ専門医と言語聴覚士がより楽しい人生を送るために考えていることを綴ります

家族はいればOKとは限らない。【医師の眼からみた老後の終活・孤独対策】

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家族がいるのに孤独

 こんにちは。回復期リハビリ病院で働いているノンです。

前回は孤独にならず最期まで自宅で暮らすには家族がいたほうが有利だとある意味当たり前のお話をしたのですが本当にそうでしょうか?今日はその家族があだとなるケースについても述べてみましょう。

 

前回の話はこちらからどうぞ。

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認知症の方や障害者が家族に嫌われていたら

実は家族がいることで自宅退院がかえって遠のくケースがあります。

それは患者本人が家族から嫌がられている場合(あるいは家族が無関心)です。意外と多いのが患者の配偶者が離婚を考えていた矢先に患者が脳卒中になったり骨折したりして認知症や障害者になるケースです。とくにその方がキーパーソン(患者の身元引受人)になるととても退院が難航します。ほんの少し手助けすれば自宅に帰ることができるケースでも絶対に面倒みたくない、しかもお金もかけたくないとなれば自宅に帰れないどころかあまり条件の良くない病院・施設へうつることを余儀なくされます。

 

介護で家族がバラバラにならないようにするには

 もう一つのケースはすでに同居家族に介護が必要な方がいて、かつ患者が主に介護している場合です。とくに認知症や障害者になった患者が介護を一手に引き受け自分ですべて抱え込んでしまう、あるいは他に家族がいない・あるいはいても協力してくれないときは要注意です。

 介護していた人間が介護できなくなり逆に介護が必要な状態になってしまった場合、残された家族にしてみれば一気に介護を必要とする者が二人になってしまうことになるわけです。そのため頑張って介護しようとは考えられなくなり、介護されていた人とともに一緒に老人ホームに入ったりしています。ここから介護も含めて家族間での助け合いが重要であることがわかります。そして介護できる人間が一人より二人、二人より三人と多ければ多いほど自宅で暮らせる可能性、孤独にならない可能性が高くなることでしょう。

 

配偶者の家事スキルが低いと自宅で暮らせなくなるかも

また性別も重要です。同じ重症度なら夫よりも妻のほうが在宅復帰率は低くなります。とくにいまの男のお年寄りは家事スキルが低く、介護スキルを磨こうともしない人が多いです。奥さんがあまりにも夫を甘やかしすぎたがため、かえって自宅に帰ることができなくなる悲劇はよくみられます。

 

老後孤独にならないで最期まで自宅で暮らすための6つの対策

 

だからあなたが最期まで自宅で暮らすための対策としてとりあえず6つ挙げてみます。

  1. 家族を持つこと
  2. 家族に嫌われないこと・家族と絆を持つこと
  3. 家族が多く協力的であること
  4. 家事スキルが高い

 

でもこれらはすべて

    5.お金があれば解決できることがあります。例えばお金があれば自費で様々なサービスを使うことができますし理想的な終の棲家(老人ホーム)が手に入るかもしれません。

あるいはそれなりの

    6.情報・知識があればお金はなくとも最期まで自宅にいられる可能性が高まります。

 

それではこれらを手に入れるにはどうしたらよいか次回以降考察していこうと思います。