孤独にならないで最期まで自宅で暮らすには
はじめに
こんにちは。回復期リハビリ病院で働いているノンです。
回復期リハビリ病院とは病気の治療が終わったのに自分の身の回りのことができないため、訓練して自宅に帰ることができるようお手伝いする病院のことです。
こういうところで働いていると否応なく人生の終末(ないしは近い部分)を目の当たりにしてしまいます。
- 家族に愛されて幸せそうに自宅に帰る人もいれば
- 入院中誰もお見舞いに来ず認知症を悪化させてしまう人
- 本人は自宅に帰りたいのに手伝ってくれる人がいない孤独な人
などいろいろなケースに遭遇します。
「一体どこが運命の分かれ道なのだろう?」
「なんでこんなに愛され(嫌われて)いるのだろう」
そんな疑問を抱きながら日々働いておりますが、それぞれの結末にはきっとそれぞれ原因があると思います。
よく将棋や囲碁で勝負がついた後、感想戦というものを行っています。
感想戦とはどの手が勝負の分岐点であったとかこの手を指したほうが良かったとかを検討することを言います。
ここでは人生の感想戦ではないけど病院という終わり(に近いところ)からみて自宅に帰れない人、孤独になってしまう人はどこが問題だったかを考察すると同時に、孤独にならないようにするにはどのような対策をたてればいいのかを考えてみようと思います。
家族がいれば孤独にならないで最期まで自宅で暮らせる?
回復期リハビリ病院の目標は患者の可能な身辺動作を増やし自宅退院に結び付けていくことです。
患者も我々も自宅退院ができるよう一生懸命やっているのですがどうしても自宅に帰りやすい人、帰りにくい人が出てきます。今日は自宅に帰りやすい、帰りにくいをわける条件についてお話ししようと思います。
もちろん病気・障害が重篤な人はそうでない人に比べ自宅には帰りにくいです。ここではそういうことではなく
家族の有無
自宅退院が可能かどうか重要な要素としてまず「家族の有無」といったことがあります。
家族がいれば大体自分の身の回りのことができれば自宅退院は可能になります。
しかし1人暮らしではどうでしょうか?
具体的には買い物や掃除、料理などです。これらは身辺動作と比べて圧倒的に難易度が上がります。
家族がいれば買い物は配偶者の方がいってくれるかもしれません。掃除は娘さんがしてくれるかもしれません。料理は息子さんがしてくれるかもしれません。またちょっとくらい身辺動作ができなくても誰かが着替えとかトイレとか手伝ってくれるかもしれません。
だからあなたが孤独にならないで最期まで自宅で暮らすためには家族を持った方がいいということになりそうです。しかしただ家族を持てばいいというものでもなさそうです。それについては次回述べることといたしましょう。ではまた。