ママちゃんの自由帳

リハビリ専門医と言語聴覚士がより楽しい人生を送るために考えていることを綴ります

お金が紙くずになった話

 

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 コロナ蔓延で外出自粛、株価もどんどん下げています。この間、僕は持っているお金が半分になっているお話をしましたが、実は僕はその昔お金が紙くずになった経験をしたので今日はその話をしようと思います。

 

 

昨日まで使えたお金が使えなくなる

 今から四半世紀くらい前の話です。僕はある国を旅行していました。

僕はとあるホテルで朝ご飯を食べていました。パンと、コーヒーとなんだったけ?多分そんな大したものを食べていないのですが、なんせ物資不足のところでしたので、食事にありつけただけでもまだましだと思っていました。
 

ご飯を食べ終わったのでお金を払ってお店を出ようとしたのですが、グイとかたをつかまれました。
「え?」
僕が振り返ると恰幅のいい50歳くらいの男が怒った顔でこちらをにらみます。
「〇×△◇~」
多分現地の言葉だと思うのですが何言っているか分かりません。恰幅のいい男は現地の言葉が通じないことが分かったのか、片言の英語で話しかけてきます。
ジスマネー、ノー
「はあ?」
「ジスマネー、ノー」
「こいつ何言ってんだ?」
僕も片言の英語で返しました。
「ア、 アイ イート ブレークファスト アンド ザ プライス イズイズ、、、イーブン(朝ごはん食べた 価格は丁度でしょうと言いたかった)」
恰幅の男はまた言いました。
「ジスマネー、ノー」

 

僕は面倒くさくなってそのまま店出ようとしたら、さっきよりも強い力で引っ張り込まれました。そして店の奥から何人か人が出てきて取り囲まれてしまいました。
 僕はすっかりビビってしまいおろおろしながらさけびました。
「へ、へるぷみー、ヘルプミー」

 

幸いなことにもう少し英語ができる人が出てきて僕に話しかけてきました。
「you can not use this bill.(この紙幣は使えないよ)」
このくらいの英語なら僕だって分かります。僕も返しました。
「Why?(なぜ)」

すると僕に数枚の紙束を渡しました。見てみるとそれは新聞でした。

新聞のトップページにはなんだか窓口のあたりで怒った顔をした男の写真が載っていました。

 

見出しはこうでした。
紙幣の切り替え、銀行混乱(多分こんなようなことが書いてあった気が。英語でどうだったかは忘れた)」
僕は英会話はダメだけど英文読解ならそこそこできます。そこを読むと今までのお金は使えなくなった、銀行はそのため大混乱している、、的なことが書いてありました。
どうすればいいんだろう、、使える現地のお金なんか持ってないぞう。

 

すると先ほどの男がまたもや片言でこういうのです
ドルドル、」
ドルで払えということか。
「ハウマッチ?」
「ツーツー」
僕はたまたま持っていた1ドル札を二枚彼に渡しました。
先ほどの不動明王の顔が見る見るうちに人の良さそうのな笑顔に変わっていきます。
「アリガトウ」
 他の日本人旅行客から教わったのでしょうか。それでようやくその店を出ることにしました。 

使えなくなったお金なんか、、、

 朝ごはんを食べた後僕はホテルに戻り、一休み。ほどなくして大きい方をもよおしてきました。僕はトイレに駆け込みました。紙で拭こうと思いましたが日本のホテルと違いまともなトイレットペーパーではありません。それで汚くなったところを拭くととても痛くなるのです。
困ったなあ。僕は汚い部分を出しながらボストンバッグの中から日本から持ってきたティッシュペーパーを取り出しました。

待てよ。
僕は先ほど払い損ねた紙くずになった現地紙幣をズボンのポケットから取り出しました。全部で10枚ありました。
僕はにやりと笑いました。

使えなくなったお金は、、、

 そこに数日間滞在したのち僕は電車を乗り継いで同じ国の田舎に行きました。そこで持っていたドルを両替商で現地通貨に取り替えました。その現地通貨にはあの忌まわしい紙くず紙幣が入っていました。
僕はびっくりして両替商にこういいました。
「ジス ビル キャン ノット ユーズド。プリーズチェンジアザーマネー。(この紙幣は使えない。他の紙幣とかえてくれ)」
その両替商は笑いながらこう言いました
ノープロブレム
他の外国人らしき人の手元にも紙くず紙幣が入っているようでした。特に問題なさそうでした。僕は片言の英語でもっと少ないお金で両替するよう交渉してみました。両替商が応じてくれたのでとりあえず変えてくれたお金をもって雑貨屋のようなところに行きました。
特にほしくはなかったのですがガムか飴玉かを買ってみました。
〇〇と店の主人が値段を言ったので、僕は恐る恐る紙くず紙幣を差し出しました。

しばらくそのお札を見てこういいました。
「(現地の言葉で)アリガトウ
僕は思わずえっといいました。でもそのお金が使えることが分かり、僕は紙くずにしてしまったあの10枚のことを思い返してもう一度叫びました
えー。
どうも、お金が使えなくなったことが田舎まで伝わっていない印象でした。

 

世界中の通貨が紙くずになったら、、

 

 そのとき僕が旅行した国は共産圏にありました。共産圏にある国はあのころちょうどあちこちで独裁者が殺されたり国が分裂したりですごいインフレの時期でした。だからお札の数字もゼロがたくさんか並んでいるような状態でした。
 だから旅行本にもお金はいっぺんに両替しないようにと書いてありました。そして円ではなくドルでもっていくようにとも書いてありました。

 

 最近激しい株価の暴落がありました。最近の株安には安全通貨として円が買われることが多かったのですが今回はむしろドル高になっているようです。ある記事によるとコロナが世界中で蔓延しているため特に発展途上国ではドル需要が増えているためとのことでした。

 

 ひょっとすると僕が旅行中に経験したことが世界中でおこっているのかもしれませんね。

 

 その真偽はともかく大体株価が暴落するときに政府がやることは①金利を下げる②量的緩和、つまりお金を刷って市中に出回るお金の量をふやして株券とか債券とかを買い支えるといったことが中心です。今回も規模の違いがありますがアメリカも含め各国で金利の引き下げ、お金を刷ることをやっています。実際株価暴落もここ数日は落ち着いているようです。
 
 でもある程度景気が良くなればそのお金を回収する形をとるために金利を上げたり、お金を刷るのをやめて回収したりするのですが、実は1か月前まで続いた好景気の間にも十分回収できていません。
つまりいまはこういうサイクルに入っています。

 

株価が下がる→お金を刷る→株価が上がる→お金を回収するも不十分→株価が下がる→お金を回収する前にまたお金を刷る(今ここ)

 

 こんなことを繰り返していくとお金の価値がどんどん減っていきます。それで最悪お金が紙くずになっていくのですが、今その途中にあると言っている人もいますドルも例外ではありません。
 

 ドルも含めた通貨の歴史の終焉に立ち会うことになるかも。その時とってかわるのは?ビットコイン?金それとも、、神のみぞ知るところです。